Ryzen機を組む(Ryzen7 1700)

いよいよAMDデビューです(めっちゃテンション高い)。

 今まで2年半以上「Acer Aspire E3 E3-112-F14C/S」を使ってきました。
搭載CPUはCeleron N2840(2C2T, Base: 2.16GHz/Burst: 2.58GHz)、RAMは4GBです。
とりあえず新PCまでの繫ぎとして買ったものの、昨今のハードの進化かOSの進化か、なかなか質実剛健に動いてくれていました。
当時の同価格帯での競合はタブレット向けのAtom 4コアモデルをノートに転用したものが主流でしたが、
同じAtom向けの設計でも、これはデスクトップ・ノート向けにPentiumやCeleronの名を冠された製品群のひとつです。
このN2840はその中でも下位のCPUで、競合筆頭のAtom Z3735Fに性能面で及ばない所もあったと思います。
しかし2万円台で4GBのメモリを積んだ製品は非常に稀でした。結局は仮想記憶として10GB以上がHDDに割かれていましたが、
それはつまりSSDにしたらもっと性能が上がるはずです。
不具合もありませんし、性能向上の余地もありますので、もちろん今後も使っていく予定です。

しかしメイン機としてはできることが限られ過ぎています。
なんとか新調しようとPC界の動向を追い、メモリの定格2,666MHzが出てきたりintelがAMDと足並みを揃え始めたり、
Coffeelake-Sの実態が明らかになってきたりした今!

Ryzenで組みました。

ちなみにアイキャッチ画像のMONO消しゴムはグラボの支えです。

CPU

CPUはRyzen7 1700です。定格3GHz、8C16Tですよ。でTDP 65W。 

しばらくは定格で運用する予定です。

ロット番号は1722SUS。22週目製造なのでおそらくSEGV問題が潜在しているでしょう。問題があればRMAを試してみてもいいかもしれません。
あとYD1700BBM88AEってバルク品の型番なんですよね。
海外にもBOX品買ったらこの型番だったという方の書き込みがあります。
Boxed AMD Ryzen 1700 has tray part number – CPUs – Tom’s Hardware
真相は不明です。機会があったら代理店等に聞いてみます。
そろそろZen+が出ますが、初代を構えて後継の動向を見届けられるというのは嬉しいところがありますね。
なおZen+が現行チップセットで動くという保証は今のところないです動きます。

CPUですが、intelのメインストリーム系のものに比べてかなりずっしりきます。鉛の塊って感じです。
それとは関係ないと思いますがソルダリングなんですよね。ヒートスプレッダもしっかりしてそうです。


よく1331pinもの剣山がスッと入るもんだ。ちなみにAM4はコンタクト数1331のPGAですが、TR4はコンタクト数4094のLGAです。ランド配置が美しい…
構造上、ソケットが担うCPUの固定力は微々たるものでしょう。基本的にクーラーとバックパネルでサンドイッチです。
LGAはここで圧をかけすぎると昨今の薄いPCBが曲がる事例が起きていますが、PGAはこの点で気楽ですね。


1700にはTDP95WのCPUクーラーWraith Spireが付きます。箱の体積の80%くらいはこれです。
ベースにはあらかじめグリスが塗布されていますので、グリスを別途用意する必要はありません。
このネジ止めに苦労したという情報を散見しますが、無事にピッタリと締まりました。
ヒートシンクもネジもバックパネルも金属ですので、たわんだりはしてくれません。
まず4箇所すべてのネジの先端をネジ穴に合わせたら、クーラーの自重を利用して一旦置きましょう。
いま重量がかかっているのはネジ部のみで、ベース部はまだ浮いたままなので安心してください。
この時点で結構安定します。
次に、横から見て確認しつつ、まず1箇所のネジを1周だけまわし、次に対角のネジも1周まわし…
というように、少しずつ締めていきましょう。
ピッタリ締まるのがよく見えるので割と快感です。

AM4はマウンティングホールが長方形に配されています。
ファンのAMDロゴはデフォルトで長辺側についていますが、ファンはヒートシンクと独立(ネジ止め)しているので短辺側にも付け替えられます。
クーラーによっては、特にサイドフローは方向が制限されますね。
先程のPGAソケットの話ですが、LGAのようなソケットカバーがないこの構造はスッポンの懸念があります。
あらかじめグリスをCPUの熱で温めておき、ネジをゆるめてからクーラー全体を捻るようにして外すと安全ですね。

M/B


マザーボードはAsrock X370 Taichiです。

  • CPU直結のM.2ポートがPCIe Gen3.0 x16よりCPU側にある
  • Intel LAN採用
  • オンボードサウンドにALC1220(カスタム含む)採用

という条件でかなり絞られ、最終的にはASUS PRIME X370-PROと悩みましたが、フェーズ数に押されTaichiとしました。
あとオンボードグラフィック出力がないのでAPUのiGPUを切り捨てているところも潔くて好きです(?)
これで晴れて雷禅太一の仲間入りです。
メタルカバーがついた2つのPCIe3.0x16スロットがありますが、下の方はx8までです。
マザーの裏面を見るとそもそも配線がx16の半分までしかありません。
最下段のx16形状のスロットはPCIe2.0x4で、下段のM.2と排他です。
X370のCPU直結バス帯域はintelのDMI3.0に匹敵しますが、PCIe3.0がチップセットから出ていません。

メモリスロットは片ラッチ式です。
スロットの左側にうっすらとミアンダ配線が見えますね~。パラレル通信の証拠ですね。

RAM



メモリはKingston HyperX Fury HX426C16FWK2/32です。32GBセット(2x16GB)、
SPD: JEDEC 2,666MHz CL-16 / XMP 2,666MHz CL-16 デュアルランク(2Rank)となります。
この記事を書いた時点でDDR4 シングルランク(1Rank)の16GBモジュール自体がこの世界に存在していないようです。
チップは十中八九SK Hynixですね。Micron製でした。
マザーのQVLにも定格2,666MHzで記載、Kingston側でもRyzen動作確認のお墨付きをもらった超安牌モデルです。

もちろんX370 Taichi BIOS3.20上で2,666で動作しています。

KingstoneのOCメモリのエントリーシリーズにあたるこのメモリですが、このシリーズには「自動オーバークロック」という触れ込みで、
記載されたJEDECの中の最速値と同じパラメータのXMPが用意されています。
実際にUEFI上の情報ではXMP動作となっています。レイテンシも電圧もJEDECと同じですが、一応オーバークロックという扱いでしょう。

ところで、Ryzen環境で大定番のCorsairのVengeance LPXシリーズ、特に2x8GBの「CMK16GX4M2A2666C16」ですが、これはJEDEC 2,133MHzで、これより上はオーバークロック扱いとなります。
Ryzenが発売された後にRyzen対応を謳った「CMK16GX4M2Z2666C16」が出ています。これは定格で2,666MHzなので、安牌を狙う場合はこちらとなります。
まさにおみくじメモリと言って差し支えない理由がこれでしょう。

この記事を書いた時点では、このシリーズから2x16GBの定格2,666MHzは出ていないみたいですね。

GPU


グラフィックボードはPalit GTX 1070 Super Jetstreamです。
自分の用途的にはQuadro寄りですが、第一のGPUとしてWindows機でDirectXへの最適化がない、というのは今後不便と思うのでGeforceにしました。
1070にもなればCUDAコア数が圧巻なのでいくらか巻き返せるでしょう。VEGAのワッパが良ければRadeonかRadeonProかの二択でしたね。
RadeonProに至ってはゲーム用にも最適化されるドライバがこの前公開されました。
Radeon Pro、ゲームプレイ・開発の共存環境を最適化する新機能
いずれRadeonに手を出す可能性は非常に高いです。

PalitのJetStreamはデザインが好きで、10シリーズでも私好みの外観を継承してくれました。クロック数も高いし静音でいい感じです。
1060 6GBモデルと悩みましたが、先の理由とFHDでの要件をフルに満たしてくれるのはやはり1070だということで決断しました。


でかい。

PSU


電源はおなじみのCooler Master V750 Semi-Modularです。

1・2次側日本製105℃コンデンサ採用、奥行き140mmのATX規格サイズに750Wを詰め込んでる定番電源ですね。
今回の構成だと650Wで十分なのですが、750Wの方が安かったので拡張性も考えこちらにしました。セミモジュラータイプです。

以前玄人志向のKRPW-GN550W/90+で組んだことがありましたが、スリープ時にコイル鳴きが発生していました。
この電源は今のところ大丈夫です。

本当はCorsair RMxシリーズかSeasonic Snow Silentを考えていました。

RMxに関してはこれまた定番で、1・2次側日本製105℃コンデンサ採用、加えて一定の負荷までファンレス駆動となるところが魅力的です。
Corsair RMx Series 1000 W Review | TechPowerUp
上記のサイトにリップルノイズが非常に小さいという評価がありますが、これはRMxシリーズに付属のノイズ低減用キャパシタがついたモジュラーケーブルを使用した際のデータ、という前置きがあります。他のケーブルでも同様の優秀さを発揮してくれるかは未知数ですが、仕様と様々なレビューを探った限りは良い電源だと思います。
このケーブルを使った際の、入力が途切れた時の供給維持能力(Hold-up time)は目を見張りますね…
欠点はこのキャパシタによるケーブルの取り回しのしづらさと、ちょっと筐体が長いということでしょうか。
この大きさの点で気になったのと、あまりにも品薄な状況が重なって見送ることにしました。

ちなみに最近750Wと850Wにホワイトモデルが追加されましたね。Snow Silentという候補からも想像できると思いますが元々ホワイト電源狙ってた。かっこよすぎる…

このホワイトモデル、ファンレス駆動ということを考えれば至極適当な価格(元々ブラックモデルもこれくらい)なのですが、カラバリでブラックモデルの5割増となると「自分で塗ればよくない?」ってね。それにケースはチャンバー構造が流行りだしね?

後者のSnow Silentは去年発売された電源です。日本での取扱いが見当たらず(実は秋葉原のヨドバシに置いてあった気がする)、米尼では日本に送れない出品者だったので断念です。

とりあえずストレージはHDDを流用、SSDとケースは後日ということにして、
これらの必要最低限の構成で組み上がりました。

ショートは大丈夫そうです。懸念はホコリと湿気ですね。
で、無事起動しましたが…まず消費電力の低さに驚きです。アイドル時で45W前後とは…
Aspire以前に使っていたi7-4790K機はiGPUでの運用なのに60Wは超えていたと思います。
14nmの恩恵でしょうか。
さすがにレンダリングを走らせると100Wを少しだけ越えてきます。


圧巻ですね16スレッドは!これが見たかった!
前者が今まで使っていたAspireです。こうして比較すると、周波数はもちろん、キャッシュ量の差にも驚かされます。


そしてエクスペリエンスインデックス。前者がAspire、後者がRyzenです。ディスクはどちらもHDDなので仕方ないですが…
これ定格ですよ。9.3て。すごすぎる。メモリクロックの高さも影響しているかもしれませんね。
ちなみにCinebench R15は1,400前後ですね。下回ることもあれば超えてくることもあります。

というわけで現状では大満足の結果です。
今後使用していきつつ、また気づいた点など書いていくかもしれません。

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