GENTOS EX-300Hを買う

アウトドアとは無縁ですが、浴室での照明が欲しかったのと防災用品としてのポテンシャルに惹かれ前機種EX-000Rの時から気になっている商品でした。
レビューブログが世界で一つも見つからなかったので少しでもご参考になればと思います。
点灯状況の写真もそのうち上げたいと思います。

昼白色と暖色のLEDを搭載し、合わせて1,300lmの白色を出せる明るいランタンです。
ボタン操作のたびに白色→昼白色→暖色→キャンドルのモードに変更できます。バッテリーはなんと付属しており、単一アルカリ乾電池3本で代用できるようにもなっています。他製品と比較するに乾電池のほうが駆動時間が長いかもしれません。

そしてこの商品の魅力はなんといってもタフさで、10mの落下試験に通りIP68相当の防塵防水性を持ち、バッテリーを取り外さずにUSBによる給電・充電ができるようになっています。これだけでも防災用品としてもばっちり活躍してくれそうです。

EX-300H – GENTOS

高さ20cm弱とコンパクトながらずっしりした印象ですが、GENTOSさんのランタンの中では特別重いというわけではありません。ボタン押下時のはっきりとした感触や各種キャップの嵌合性の良さ等、随所からしっかりとした商品らしさを感じ取ることができます。
耐久性と引替えに?グローブは外せない構造で、天地方向に影はできます。その分リフレクターによる広範囲への照射で空間全体をとても明るくしてくれますし、真下・真上にさえいなければ不自由を感じさせません。

他のモデルに比べて光束(lm)に比して光度(cd)が小さいのは、このグローブが外せないことに原因がありそうです。
他モデルの説明書によれば、光束も光度もグローブを外せるモデルは外して計測されるようです。
光束は全方向の光の総量であり、グローブがあってもリフレクターが光を遮らずに別方向に反射してくれるので大きな影響は受けませんが、光度に関しては照射面中央の計測値で扱われるため、グローブが外せれば直上からダイレクトな光を計測できる一方、グローブ装着状態のEX-300Hはもしかしたらサイドからの計測か、あるいは直上の影になってる部分を計測しているのかもしれません。
または最大光度となる照射面を計測しているとすれば、それだけ光が拡散され広範囲を照射できている可能性もあります。

ここでありがちなのが、LEDチップ自体の光量を製品状態の光量として記載している製品です。チップスペックが同じでも製品形態により光度は全く異なるため混乱の元です。GENTOSさんは製品状態での計測値であると公言されていて、だからこそ前述のような考察ができますし、このことが自分が購入に舵を切った大きなきっかけです。

ANSI FL1 Standardとは – GENTOS

明るさについて – GENTOS


本体のまま充電する際は電源ボタンが赤く光り、充電が完了すると緑に光ります。
充電しながらのライト点灯はできませんが、給電(スマホなどを充電)しながらの点灯は可能です。

売りの一つの明るさですが、白色モードの最大値、つまり1,300lm時には、6畳間の空間を把握するには十分の光量を出してくれます。就寝前の明るさとして丁度いいレベルです。
6畳間のシーリングライトには~8畳向けが備え付けられている場合もあり、全灯時には4,000lmクラスに達します。流石にそれとの比較は厳しいですが、シーリングライトのecoモードのような、明るさを落とした運転時の~7割程度の光量には達していそうな感覚です。
そして意外にも暖色モードでも光量を出してくれます。数値的には490lmですので、白熱電球の40W相当に達してくれてる計算です。

なお、1300lmは80~100Wの中間程度の白熱電球に相当する光量ながら、熱放射の振る舞いを示し赤色を多く含むいわゆる電球色の白熱電球とは異なり、青色域の波長も多く含ませて白色を作っています。
また、レンズで拡散されているとは言え元は点光源ですので、明かりを直接見るのは本当に控えた方が良いです。視界に入るだけで目が痛くなります。

点灯直後は常に最小の明るさからスタートです。
どの点灯モードのどのタイミングでも(キャンドル除く)、ボタン長押しで光量調整(スムースディマーコントロール)に入ります。
スムースディマーコントロールは波のように光量が変化します。明るさが最大値・最小値になった際に2回点滅するのですが、これが操作の目安として非常に助かります。以前のモデルではこの振る舞いがなく、最大値・最小値の瞬間で止められない悩みがありましたので、素晴らしい改善点だと感じます。
調整後に改めてボタンを長押しすると、今の明るさを起点にスムースディマーコントロールが再開します(暗くなっていく途中で止めていたなら、再開時には暗くなっていく方向で始まります)。
消す時はいきなり消えるのではなく、徐々に暗くなってから消えます。

白色モードで7割くらいの光量を1時間ほど点けてみましたが、本体がほんのり温かくなります。外装は樹脂で覆われており金属が露出せず、またグローブが外れないために外部との空気の流れも制限されますので、熱を逃がすのは不得手かもしれません。これがLED素子の寿命にどれくらいの影響を及ぼすのか。
ただ、LED自体は暗くなることはあっても電球タイプ以外「切れる」という劣化を辿りません。しかもLED素子より心配なバッテリーの方は交換できる仕様ですし、何より乾電池駆動も可能です。メンテナンスがとても楽ですね。

災害は来ないことが一番ですが必ず来てしまいます。充電状態や電池の備蓄を保つよう心掛ければ、明かりに関しては一つの安心材料が増えて良かったと思える商品ですし、普段使いとしてもスマホのライト機能以上の明るさと照射範囲を確保できる手軽な光源として、例えば部屋に照明を導入する際の位置や明るさをイメージするツールとしても活躍してくれそうです。