C93 頒布物総括


2017/12/31 当スペースにお越しいただきありがとうございました。
頒布物は前回同様 星座早見盤(1,500円)  と、オリジナルカレンダー(1,500円)でした。

双方とも、当サークル制作・所有の暦計算プログラムから、JavaScript・Canvasを用いて描画されています。

 

星座早見盤は前回同様(https://plugman.me/2017/08/13/14/)の内容に加え、多少の変更を施しています。
前回には前回のいいところがあるため、改良とは言い切れません。

まず、星の色が鮮やかになりました。色がはっきり判別できる一方で、本来光量が多いはずの青い星が白い星よりも暗くなってしまっています。これは加法混色でも減法混色でも下地が共有されているものの特性として仕方のないことです。
また、星の周囲にぼかしを入れ、光っているような演出を入れています。前述の対策として少しでも明るく見せようとする魂胆です(笑)。

次に、星座の線を明るい紫色にしました。白い線では、星の密集地帯で白い星との区別が若干つきにくいと判断し、星の色としてはありえなそうな紫色にすることで少しでも差別化を図っています。
これより線の色を暗くすると、密集地帯(特に冬の大三角あたり)で他のアステリズムや天の赤道等の線に紛れてしまい、星座の判別が難しくなります。
これより明るいと白と大して変わりません。
アステリズムも、星座の線と重なっても判別できるよう線を太くしたり、縁取りで表現したりしています。

星座の判別を若干犠牲にして、星やアステリズムをより目立たせたというのが今回の変更点です。

内部的には、星の明るさ(盤上では大きさ)の違いを多項式ベースから対数ベースに変更(後者では暗い星でも表示できる底力があるが明るい星が大きくなりすぎる) したりして調整が必要になった部分が一番大きく、その他は冗長的な部分を除いて最適化したりと、全体的に微々たる変更で終わっています。

 

カレンダーの方は、この度も、知識がある方々に手を取ってくださり、大変嬉しいことでした。当方のカレンダーが少しでもお力添えになればと切に願う限りです。

しかし、A3壁掛けカレンダーという特性が、暦の世界に足を踏み入れたいと思って頂ける方々には荷が重い印象を与えてしまっているのは事実です。
それに、日々の情報量は劣っても、よりユーザーフレンドリーな内容でコンパクト、かつフルカラーなカレンダーが100均で販売されています(他の収入の助けがある訳ではなく、かつ薄利を受容している訳ではないのであれば、どういう仕組みなのか本気で知りたい)。

内容は自信がありますが製品として工夫が必要なのは明らかです。

今回嬉しいことに、携帯できるようなサイズの媒体、つまり卓上カレンダーや手帳型の方が市場が大きいという情報をいただきました。
また、さらに具体的な内容として、コミティアの方で文具を中心とした展開が見られること、リフィルとしては1/3″ピッチ綴じが人気という情報もいただきました。

 

ここからは少し長い規格の話になります。

ピッチというのは穴の間隔のことです。
手帳を除く多穴ピッチはルーズリーフピッチか1/3″ピッチが見られますが、前者は日本独自規格です。後者は世界標準と呼べるもので、主にリングノートやコイルノートで利用されています。
つまり今までリフィル目的ではルーズリーフピッチ、製本目的では1/3″ピッチという流れが見られました。

しかしこの状況を変えようとしているのがリヒトラブ社です。
1/3″ピッチは綴じ自体の機能的にはルーズリーフピッチより優れた規格です。
・ピッチが狭い=穴が多い(リングからの負荷が分散される)
・角穴(リング部分がほぼ面で紙と接するため、捲り時にスムーズ&頑丈)
・背部分までの距離が短い(紙の面積を大きく取れる)
のです。
これを日本でも広めようと、小型多穴パンチや、バインダーのように開閉ができるリング部分のみの製品「ツイストリング」を発売されています。
これらを利用すれば、自分で好きなリングノートが作れる、という触れ込みです。

そしてルーズリーフ規格でも、これらと似た製品がカール事務器社から出ています。
こちらのパンチは穴あけした紙がそのままルーズリーフに使えるというメリットがあり、またツイストリングと似た思想の「ルーズリング」は、構造が単純で、自分で好きなサイズに切断もできるという応用の幅の広い商品です。

どちらの社の商品も甲乙つけがたいですが、将来的に小型媒体にも応用できると考え、ルーズリングを採用しました。
今回頂いた情報から察するに、見事に外したようです(笑)

リヒトラブさんが穴あけパンチを角穴から丸穴に変更されたので、丸穴で妥協するか、リング製本機を導入するか(大抵、穴あけ機能が製本機能と一体化されている)のどちらかで悩ましいところですが、今のところ後者で考えています。

と、 長い制作側の都合の話はここまでにし、次回はコンパクトかつ手軽な媒体向けに進化していくと思います。壁掛けカレンダーはしばらくお休みとなります。

以上、制作側の都合を中心とした総括でございました。
最後になりますが、この度、当サークルの制作物に手を伸ばしていただいた方々、ご購入いただいた方々に改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。